ミステリー・ホラー小説まとめ 

ミステリー・ホラー小説をまとめました。著者は、氏田 雄介、道尾 秀介、今村 夏子、吉田 修一、村田 沙耶香、宿野 かほる、真梨 幸子、佐野 広実、辻村 深月、雨穴。 


54字の物語意味がわかるとゾクゾクする超短編小説


54字の物語
意味がわかるとゾクゾクする超短編小説 

氏田 雄介

 
内容紹介
インスタグラムで話題の、1つの話が54字ピッタリで終わる超短編小説集。「消えた贈り物」「語れない物語」など全90話を収録。各話に解説文を併載し、54字の物語の作り方も紹介する。専用の原稿用紙付き。
 
著者情報
面白法人カヤック・プランナー,コピーライター

行間を読み取る想像力が必要な一冊。作者の真意がわかった瞬間ふっと笑えるブラックユーモアがたまらない。


54字の物語 参 みんなでつくる意味がわかるとゾクゾクする超短編小説


54字の物語 参
みんなでつくる意味がわかるとゾクゾクする超短編小説

氏田 雄介

 
内容紹介
1つの話が54字ピッタリで終わる超短編小説集。「佐藤の消失」「文殊の知恵」など、爆笑問題の太田光の作品も含む全90話を収録。各話に解説文を併載し、54字の物語の作り方も紹介する。専用の原稿用紙付き。
 
著者紹介
1989年愛知県生まれ。早稲田大学卒業。株式会社考え中を設立、企画作家として独立。著書に「君の前で息を止めると呼吸ができなくなってしまうよ」など。

54文字の原稿用紙へ緻密に閉じ込められたミステリーやトリックはまさにゾクゾクするものばかり。解説を読まないとわからないものがあったり、最後の1行でハッとするものがあったり、頭の体操になる一冊。


54字の物語 怪意味がわかるとゾクゾクする超短編小説 ゾク編


54字の物語 怪
意味がわかるとゾクゾクする超短編小説 ゾク編

氏田 雄介

 
内容紹介
SNSで話題の、1つの話が54字ピッタリで終わる超短編小説集。「不死身の末路」「虫の壁」など全90話を収録。各話に解説文を併載し、54字の物語の作り方も紹介する。専用の原稿用紙付き。
 
著者紹介
1989年愛知県生まれ。早稲田大学卒業。株式会社考え中を設立、企画作家として独立。著書に「君の前で息を止めると呼吸ができなくなってしまうよ」など。

このシリーズはトリックがとにかく面白い。どこから読んでも楽しいのがこれまた良い。


いけない 


いけない 
道尾 秀介

 
内容紹介
友達のいない少年が目撃した殺人現場は本物か? 偽物か? 各章の最終ページを捲ると現れる地図や写真の意味が解った瞬間、物語の別の顔が見えてくる…。驚愕ミステリー。
『オール讀物』他掲載に書き下ろしを加え単行本化。
 
著者紹介
1975年生まれ。「背の眼」でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー。「光媒の花」で山本周五郎賞、「月と蟹」で直木賞を受賞。

読み進めるたびにどんどん変わっていく展開にハラハラドキドキ。内容紹介にもあるとおり、各話最終ページのからくりが見事。答え合わせのような最終ページが『コワコワコワ~~!』と恐怖感を倍増させる。だもんで、何度も戻って読み返したくなる一冊。そして、ただひとつ確実に言えることは、寝る直前までミステリーを読むと、夢見がよくない….(影響されすぎ)


むらさきのスカートの女


むらさきのスカートの女 
今村 夏子

 
内容紹介
近所に住む「むらさきのスカートの女」が気になる<わたし>。自分と同じ職場で働くよう彼女を誘導し、その生活を観察し続け…。狂気と紙一重の滑稽さ。<わたし>が望むものとは? 『小説トリッパー』掲載を単行本化。
 
著者紹介
1980年広島県生まれ。「こちらあみ子」で三島由紀夫賞、「あひる」で河合隼雄物語賞、「星の子」で野間文芸新人賞を受賞。

ずっと読みたかったけど、ここにきてやっと手にできた一冊。
主人公が何を望んでいるのかヒヤヒヤドキドキしながらゆっくり読んだ。


犯罪小説集


犯罪小説集
吉田 修一

 
内容紹介
痴情のもつれで殺人まで行き着いたスナックママ、閉鎖的な過疎の村で壊れていく老人…。犯罪によって炙り出される人間の真実。凄絶で哀しい5つの物語を収録する。2019年公開映画「楽園」の原作。

筆者の物語では、ムラ社会の人間関係や雰囲気がありありと伝わってくる。田舎出身なので私はその閉鎖的でイヤ~な感じを思い出した。いろいろなもつれから起こった犯罪をとりまく5つの物語はどれも黒い影がソワソワしている。読み終わって、この小説が映画化していると分かったら、やっぱその映像はみてみたいと思った。


ギンイロノウタ


ギンイロノウタ
村田 沙耶香

 
内容紹介
内気な少女の心に芽生えた小さな殺意は、いつしか無差別殺人衝動に膨らんでいく。生の困難に直面する若者たちから熱い共感を呼んでいる作品集。

村田沙耶香節が満載のぐっちゃぐちゃどーろどろの表現にぞわぞわが止まらない。想像力が追いつかないときもあって理解しにくいことを受け入れるのがなかなか難しい一冊。

著者の作品ではやっぱ芥川賞受賞作のコンビニ人間が一番読みやすいなあ。


ルビンの壺が割れた


ルビンの壺が割れた
宿野 かほる

 
内容紹介
「突然のメッセージで驚かれたことと思います。失礼をお許しください」-送信した相手は、かつての恋人。SNSでの邂逅から始まったぎこちないやりとりは、徐々に変容を見せ始め…。覆面作家によるデビュー作。

さほど分厚くないのですいすい読める。それだけに次々と入ってくるなかなかheavyな展開に違和感と胸のザワザワが抑えきれない。正義の鉄拳のような最後の一行はお見事!


向こう側の、ヨーコ


向こう側の、ヨーコ
真梨 幸子

 
内容紹介
独身生活を謳歌する陽子は、もうひとりの私、かわいそうなヨーコが出てくる夢をよく見る。一方、夫と子供の世話に追われる陽子は、愚痴ばかりの毎日。境遇の異なる2人の人生が絡み合い…。
『小説宝石』連載に加筆し単行本化。

コワ!コワコワコワッ!大どんでん返しの展開にラストはまさにジェットコースター!読了したそばからもう一度しっかり頭から読み直しました、ハイ。夏にぴったりな背中ゾワワ系ミステリー?いやホラー?最初のほうの女のマウンティングが怖いとか、もはやそういうレベルじゃない。コワコワコワッ!1回目と2回目の読後感が全く異なる1冊。面白かった。


誰かがこの町で


誰かがこの町で
佐野 広実

 
内容紹介
郊外の瀟洒な住宅街で、19年前に起きた一家失踪。謎の解明の前に立ちはだかったのは、忖度、同調圧力、自己保身、理由のわからない排除。

そして事件は連鎖し…。日本中で起きているかもしれない惨劇の根源を追うサスペンス。
 
著者紹介
1961年神奈川県生まれ。第6回松本清張賞受賞。「わたしが消える」で第66回江戸川乱歩賞受賞。

やましいことを心に抱えているとき、人は正当性を求めて普段はしないような、ゆがんだ行動を起こしてしまう。

いくつもの事件が連鎖していき、ラスト繋がっていくまで息をのみ、ページをめくるハラハラ感がたまらない。

暑い夏に肝を冷やすには最適な一冊。面白かった。


闇祓


闇祓 
辻村 深月

 
内容紹介
クラスになじめない転校生・要に親切に接する委員長・澪。しかし、そんな彼女に要は不審な態度で迫る。ヤバい行動を繰り返す要に恐怖を覚えた澪は憧れの先輩・神原に助けを求めるが-。『小説野性時代』連載を単行本化。
 
著者紹介
1980年山梨県生まれ。「冷たい校舎の時は止まる」でメフィスト賞、「ツナグ」で吉川英治文学新人賞、「鍵のない夢を見る」で直木賞を受賞。

正当性を盾にして同調圧力をかけてくること、それに違和感を感じて従いたくない感情に罪悪感を覚えること、話を聞いてくれる人に心を許し依存してしまうこと。。。

どこにでもある人間関係の闇に焦点を当てた、ホラーとイヤミスが共存するような物語。

読み進めていくにつれて、関連性に気づき、そうなるともうページをめくる手が止められない。背中ゾゾゾ。面白かった。


N


N 
道尾 秀介

 
内容紹介
「魔法の鼻を持つ犬」とともに教え子の秘密を探る理科教師、殺人事件の真実を摑むべくペット探偵を尾行する女性刑事…。1章おきに上下逆転して印刷されている全6章。読みたい順番で読むことで、720通りの物語が楽しめる。
 
著者紹介
1975年生まれ。東京都出身。「背の眼」でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー。「カラスの親指」で日本推理作家協会賞、「月と蟹」で直木賞を受賞。

6つのオムニバス小説で構成されている本書は、どこから読んでもいいとされている。ネタばれを言ってしまえば、読み進めていくとあちらこちらに繋がる「気づき」が出てくる。

おさらいで2回目を読んでみて、やっぱりなと確認し、さらに伏線の回収漏れがないか、追加でもういちど読んでしまった。

ひとつひとつに驚きやハッとする場面があるのに、全体を読んで思うこともあったりと、地二重三重に面白く読める一冊。ついついページは進んじゃうこと必至。オススメ。


変な家


変な家 
雨穴

 
内容紹介
謎の空間、二重の扉、窓のない子供部屋、この家、何かがおかしい-。知人が購入を検討している都内の中古一軒家には「謎の空間」が存在していた。不可解な間取りの真相とは…。YouTubeで人気の不動産ミステリー。

著者紹介
インターネットを中心に活動するホラー作家。ウェブライター、YouTuberとしても活動。

読んで字のごとく間取りが「変な家」に関する「不動産ミステリー」。読んでいくうちに背中がぞくぞくしてくる想像力が試されるホラー小説。ヒヤッとしたい夏にぴったりな本。