柚木麻子さんの小説まとめ

私の好きな作家さん、柚木麻子さんの小説で読んだ本をまとめました。 


私にふさわしいホテル


私にふさわしいホテル
柚木 麻子

 
内容紹介
元アイドルと同時受賞という、史上最悪のデビューを飾った新人作家・中島加代子。その後も絶体絶命のトラブルに次々と襲われながらも、自分の道を切り拓いていく。『文芸あねもね』掲載に書き下ろしを加えて書籍化。
 
著者紹介
1981年東京都生まれ。立教大学卒業。「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞、「ナイルパーチの女子会」で山本周五郎賞、高校生直木賞受賞。他の著書に「嘆きの美女」など。

デビュー時の屈辱が忘れられない作家が『売れる』べく学生時代に培った演技力を携え危機を乗り越える様はたくましく気持ちがいい。大御所作家との対決は非常に読みごたえあり。


嘆きの美女


嘆きの美女
柚木 麻子

 
内容紹介
生まれつき顔も性格もブスな耶居子は、会社を辞めてほぼ引きこもり状態。ところがある日、耶居子は自分が荒らしていたサイト「嘆きの美女」の管理人のいるお屋敷で生活するハメになり…。
『AERA-net』連載を単行本化。
 

著者紹介
1981年東京都生まれ。立教大学卒業。「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞、「ナイルパーチの女子会」で山本周五郎賞、高校生直木賞受賞。他の著書に「嘆きの美女」など。

読み始めたらやめられない止まらない!最後まで一気に読んだ一冊。本編の続編として書き下ろされた短編もニヤニヤキュンキュンほくそ笑みながら読んだ。面白かった。


ナイルパーチの女子会


ナイルパーチの女子会
柚木 麻子

 
内容紹介
商社で働く栄利子は、主婦ブロガーの翔子と意気投合。だが他人との距離感をうまくつかめない栄利子はやがて翔子に拒否され、悩みを相談した同僚の男と寝たことが彼の婚約者にばれてしまう。一方、翔子も実家に問題を抱え…。

著者紹介
1981年東京都生まれ。立教大学卒業。「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞、「ナイルパーチの女子会」で山本周五郎賞、高校生直木賞受賞。他の著書に「嘆きの美女」など。

自分に自由であること、正しいと思うこと、バランスって難しい。人間関係、特に女性同士の人間関係は。本作はそうした『いや~な』部分がありありと描かれていて読みに止められない一冊。

MEMO

思い出は思い出として大切にとっておけばいいじゃない。たとえ幻だったとしても、楽しい時間を一瞬でも過ごせたんだから、それでいいじゃない。もし、本当にその瞬間、あんたたちの心が通い合っていたとしたら、その夜は宝石みたいなもんなんじゃない?取り戻せないからこそ、大切な時間だよ。


BUTTER


BUTTER
柚木 麻子

 
内容紹介
結婚詐欺の末、男性3人を殺害したとされる容疑者・梶井真奈子。30代の女性記者・里佳は梶井への取材を重ねるうち、欲望と快楽に忠実な彼女の言動に翻弄されるようになっていく…。『小説新潮』連載を加筆・修正。

著者紹介
1981年東京都生まれ。立教大学卒業。「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞、「ナイルパーチの女子会」で山本周五郎賞、高校生直木賞受賞。他の著書に「嘆きの美女」など。


ひとつの事件を追うことで自分や周りの人間が次々とトラウマやコンプレックスを刺激されボロボロになっていくさまは読んでいて心が痛むが、続きが気になってしかたがなかった一冊。気分が暗くなるもののバターたっぷりの料理が食べたくなる本。つい、わたしもエシレバターを買ってしまった(笑)


さらさら流る


さらさら流る
柚木 麻子


 内容紹介
28歳の菫は、かつて恋人に撮影を許したヌード写真が、ネットにアップされていることを偶然発見する。親友や家族、弁護士に助けられ、彼女は写真を消去するために動き始めるが…。内なるたたかいと前進を描く長編小説。

著者紹介
1981年東京都生まれ。立教大学卒業。「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞、「ナイルパーチの女子会」で山本周五郎賞、高校生直木賞受賞。他の著書に「嘆きの美女」など。

忘れられない思い出、好きな気持ちを抱えたままの別れ。自分の譲れない部分や本質に触れる部分がわかりあえないのは、本当に辛い。不安定な危うさに向き合う強さ、たたかう決意と周りとの関係が清々しくも、登場人物の気持ちに時折心が痛む本。

MEMO

社会には数えきれないほどのダブルバインドが存在する。頑張れ、でも暑苦しいのはだめ。魅力的であれ でも性的にだらしないことは許されない。厳しい時代を生き抜け、でも、絶対に周囲を驚かすようなことはするな。直面しても絶妙なさじ加減が必要な社会は生きにくい。

MEMO

彼女はいつだってさりげなく堂々としていて、大切にされてきた人間特有の品があった。図々しさからは程遠いのに、欲しいものにすっと手を伸ばせる素直な強さがあった。

MEMO

別れの言葉。相手の抱える事情は気の毒で本当にかわいそうで、自分がいかに恵まれて何も知らないかわかって、嫌になる。だからといってその相手の言うことを聞かなきゃいけない理由にはならないし、何かを我慢する理由にもならない。好きだから、自分を殺して奴隷みたいになりそうな気がする。そんなの嫌。だから、好きなうちに、別れさせて。

MEMO

彼は最初から、そういう人間だった。なんの悪気もないけれど、いつも自分のことで頭がいっぱいのために上の空で、意図せず他人を破滅させてしまう種類の人間。悪い人ではない。でも、どんなに反省したとしても、すぐにまた繰り返すだろう。


ねじまき片想い


ねじまき片想い
おもちゃプランナー・宝子の冒険

柚木 麻子

 
内容紹介
富田宝子、28歳。次から次へと災難に見舞われる片想い中の西島のため、SP気分で密かに彼のトラブルを解決していく。やがて、自分の気持ちに向き合った宝子は…。『ミステリーズ!』掲載に書き下ろしを加えて単行本化。
 
著者紹介
1981年東京都生まれ。「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞受賞。同作を含む「終点のあの子」でデビュー。他の著書に「その手をにぎりたい」「本屋さんのダイアナ」など。
 

仕事相手への片思いを力に変えて突き進むパワフルな女性の物語。恋してるときって仕事もオシャレも何もかも頑張れる。そんな気持ちを思い出せる一冊。浅草に行きたくもなる。


その手をにぎりたい


その手をにぎりたい
柚木 麻子

 
内容紹介
80年代。都内のOL・青子は、偶然入った鮨店で衝撃を受けた。そのお店では、職人が握った鮨を掌から貰い受けて食べる。青子は、その味に次第にのめり込み…。
『きらら』連載を加筆改稿して単行本化。
 

バブル期前後の10年間を、主人公のOLの目線、とある銀座の鮨屋を起点に描かれている一冊。切なくも沁みる恋愛小説(であり食通小説でもあると私は思う)。よいお鮨というものを無性に食べてみたくなること限りなし。


デートクレンジング


デートクレンジング
柚木 麻子


内容紹介
十年間、全てを捧げてきたアイドルグループ「デートクレンジング」が解散し、実花は突然何かに追い立てられるように<婚活>を始める。親友の佐和子は、初めて実花がさらけ出した脆さを前に、大切なことを告げられずにいて…。

著者紹介
1981年東京都生まれ。立教大学卒業。「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞、「ナイルパーチの女子会」で山本周五郎賞、高校生直木賞受賞。他の著書に「嘆きの美女」など。

見えない差別に苦しんだり、好きなものとの距離感に悩んで感情が揺さぶられたり…立場や環境に違いでいろんな孤独と不安を味わう女性たちの物語。ラストは清々しい一冊。


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