小説家のエッセイ

小説家・作家のエッセイを集めました。


やっぱり食べに行こう。/原田マハ


やっぱり食べに行こう。
原田 マハ


内容紹介  
パリ、NY、ロンドン、スペイン、ロシア、京都、蓼科…。いざ、アートと小説と美味探訪の旅へ!

「楽園のカンヴァス」などの取材先で食べた「思い出の一品」をつづる満腹エッセー集。『毎日新聞』連載を単行本化。

著者紹介
1962年東京都生まれ。「カフーを待ちわびて」で日本ラブストーリー大賞を受賞し作家デビュー。「楽園のカンヴァス」で山本周五郎賞、「リーチ先生」で新田次郎文学賞を受賞。

小説の取材先で美味しいものを食べ、美味しいものがあると聞けばすぐに予約して食べに行き、知り合いの美食家から美味しいものをご馳走される。。。

どのページも魅力的で喉がなりお腹グーグーになってしまう一冊。

アートの話、著者の小説の製作過程ともリンクしているので、それだけでも価値がある本。


衣もろもろ/群ようこ


衣もろもろ
群ようこ


内容紹介
この世に、おばさんが着る洋服はないのか? 年齢相応、快適、お洒落な衣類や小物を探して、私の修業は50代半ばを過ぎてもまだまだ続く…。中高年女子全てに贈る衣類探索エッセイ。

著者紹介
エッセイスト,本名:木原ひろみ

ファッションへの興味と費用対効果、加齢による今までの服が似合わなくなってきた問題などなど、これから訪れるだろうお悩みについて面白おかしく予習できる一冊。

著者が経験してきたファッションに関する時代背景を知るのも楽しい。


いっぱしの女/氷室 冴子


いっぱしの女
氷室 冴子


内容紹介
セクハラという言葉が世間に登場し始めた頃、「いっぱし」の年齢=30歳を越えた少女小説家・氷室冴子。女としてただ社会に在るだけで襲いかかる違和感を、まっすぐに鮮やかに描いた不朽のエッセイ。町田そのこの解説付き。

著者紹介
1957年、北海道生まれ。藤女子大学国文学科卒業。大学3年の夏に『さようならアルルカン』で青春小説新人賞に佳作入選。2008年逝去


氷室冴子といえば、私は少女マンガ家のイメージが強かったのだが、気づいたら少女小説家であり、この本を手にとるはるか前に亡くなってしまっていた。なんて素敵にジャパネスク、好きだったなあ。そんな方のエッセイ。


コンプレックス・プリズム/最果タヒ


コンプレックス・プリズム
最果 タヒ


内容紹介
わざわざ傷をつけて、不透明にした自分のあちこちを、持ち上げて光に当ててみる。そこに見える光について、今、ここに、書いていきたい-。稀代の詩人・最果タヒのエッセイ。大和書房HPの連載に書き下ろし等を加えて書籍化。

著者紹介
1986年生まれ。インターネット上で詩作をはじめる。「グッドモーニング」で中原中也賞、「死んでしまう系のぼくらに」で現代詩花椿賞受賞。他の著書に「空が分裂する」など。

エッセイは読み物としてただ眺める場合が多く、本書も途中まではそうであったが【何もしたくないわけではないし、できないわけでもないが、しない日】を読んだら、何だかすごく共感した。ずいぶん前から私はこの状態にある気がする。


きみの言い訳は最高の芸術/最果タヒ


きみの言い訳は最高の芸術 
最果 タヒ


内容紹介
詩人・小説家の最果タヒが贈る、初のエッセイ集。「友達はいらない」「作りましょうましょうましょう」など、自身のブログ等から厳選した45本を収録する。

著者紹介
1986年生まれ。インターネット上で詩作をはじめる。「グッドモーニング」で中原中也賞、「死んでしまう系のぼくらに」で現代詩花椿賞受賞。他の著書に「空が分裂する」など。

宇多田ヒカルの歌をとても好きになったけれど、彼女に詳しくなりたい、彼女の歌と密接している人生まで歌を通じて消費したいと思わなかった、という考え方に共感。わかるわ。

あと、自分が好きなものを言った時に、その内容に優劣をつけようとする他人がいることにうんざりしているくだりも好き。

MEMO

音楽はやっぱり、行ける限り行った方がいいですよ。同時代に生きているっていうだけでも奇跡なのに、もしバンドさえもそのときまだ生きているなら、そんな奇跡、自分から手放す理由なんてどこにもないですよ。

MEMO

『他者に嫌われる』ということを恐れる時点で、『現時点では自分は好かれている』と考えているのだから図々しい。とアンタッチャブル柴田さんが言っていた。


のっけから失礼します/三浦しをん


のっけから失礼します 
三浦 しをん


内容紹介
体脂肪率が首位打者レベル、EXILE一族や漫画への熱き想い…。

ありふれているのに奇想天外な日常がつづられる、三浦しをんワールド炸裂の、抱腹絶倒のエッセイ集。
『BAILA』連載に書き下ろしを加え単行本化。

著者紹介
1976年東京生まれ。「まほろ駅前多田便利軒」で直木賞、「舟を編む」で本屋大賞、「あの家に暮らす四人の女」で織田作之助賞を受賞。

読めば読むほど のめり込む、ニヤニヤが止まらないエッセイ集。

ズボラな感じもわかるわかるとうなづけるところも多ければ、発想が面白すぎるうえに言葉巧みな表現も素晴らしく、読みごたえスッキリな一冊。むふふふふ。


人生は美しいことだけ憶えていればいい/佐藤愛子


人生は美しいことだけ憶えていればいい
佐藤 愛子


内容紹介
この世で起こることはすべて修行-。波乱の人生を元気に怒りながら生きる著者による、読むだけで元気が出る痛快人生論。著者の座右の言葉、遠藤周作との対談も収録。『PHP』掲載を単行本化。

著者情報
1923(大正12)年、大阪市生れ。甲南高等女学校卒。1969(昭和44)年、『戦いすんで日が暮れて』(講談社)で直木賞、1979(昭和54)年、『幸福の絵』(新潮社)で女流文学賞、
2000(平成12)年、『血脈』(文藝春秋)の完成により菊池寛賞、2015(平成27)年、『晩鐘』(文藝春秋)で紫式部文学賞を受賞。2016(平成28)年、『九十歳。何がめでたい』(小学館)が大ベストセラーとなった。2017(平成29)年、旭日小綬章を受章。
近著に『冥界からの電話』(新潮社)がある。

とにかく名言の宝庫。染みる言葉が多い本。若いうちに出会っておきたい一冊。

MEMO

打たれ強くなるためにはとにかく『打たれる』ことだと私は思う。『逃げずに受け止める』ことである。こうすればどうなる。ああなる、こうなる、などと考えすぎないことだ。考えすぎると行動力が鈍る。

MEMO

楽しいつき合いというものは、ありのままの自分を見せあうことの出来るつき合いである。そのためには時間をかけて、何でも言い合え、何を聞いても驚かず、理解と信頼を深めていかなければならないだろう。

MEMO

変人は変人と、常識人は常識人と、それぞれ気質にあったつき合いが楽しい。

MEMO

『人づき合い』をよくしたいといっても、一般向きの『人づき合いのよさ』と友達として『愛され信頼される』つきあいとがある。


九十歳。何がめでたい/佐藤愛子


九十歳。何がめでたい
佐藤 愛子


内容紹介
人間は「のんびりしよう」なんて考えてはダメだということが、九十歳を過ぎてよくわかりました-。御年九十二歳、もはや満身創痍の佐藤愛子が、ヘトヘトでしぼり出した怒りの書。
『女性セブン』連載を書籍化。

著者情報
1923(大正12)年、大阪市生れ。甲南高等女学校卒。1969(昭和44)年、『戦いすんで日が暮れて』(講談社)で直木賞、1979(昭和54)年、『幸福の絵』(新潮社)で女流文学賞、
2000(平成12)年、『血脈』(文藝春秋)の完成により菊池寛賞、2015(平成27)年、『晩鐘』(文藝春秋)で紫式部文学賞を受賞。2016(平成28)年、『九十歳。何がめでたい』(小学館)が大ベストセラーとなった。2017(平成29)年、旭日小綬章を受章。
近著に『冥界からの電話』(新潮社)がある。

小説家のエッセイって何でこんなに面白いんだろう。怒っているのにユーモアがあって、言葉のチョイスがとても秀逸(言葉の専門家に失礼!)。

真面目な人が真剣に怒る=面白い、これはお笑いの基本法でもあるし、何より90歳を越えたばあさんがエッセイのタイトルに『人生相談回答者失格』『来るか?日本人総アホ時代』『いちいちうるせぇ』とつけるセンスに脱帽!


ブスの自信の持ち方/山崎ナオコーラ


ブスの自信の持ち方
山崎 ナオコーラ


内容紹介
容姿によって生きづらさが生じるのは、本人の問題ではなく、社会の問題だ-。「ブス」をきっかけに、差別とは、性別とは、理想の社会とは、を考える。『よみもの.com』連載に加筆修正して書籍化。

著者情報
1978年生まれ。作家。著書に「人のセックスを笑うな」など。

本作は全編『ブス』をテーマにいろんな視点で社会を論じていて、ハッとさせられる点が多々ある。

《ブスキャラ芸人さんの数の増幅は、ブスの多様化も実現してくれている》《トロフィーワイフの文化はそのうち廃れる》《「自分はブスだ」「モテない」という理由で「世界の半分の人との交流ができない」とあきらめる必要はない。友だちとしてなら、いくらでも付き合える》《「ブス」は個人に属する悩みではない、社会のゆがみだ》などの名言あり。

新聞報道に関しての考察は興味深く、当たり前と思わされていたことにハッとさせられることが多くあった。


わるい食べもの/千早茜


わるい食べもの
千早 茜


内容紹介
「いい食べもの」はもうたくさん。自由こそ至高の美味である-。幼少期をアフリカで過ごした小説家による、気高き毒気冴えわたる異色の食エッセイ。ホーム社文芸図書WEBサイト『HB』掲載に書き下ろしを加えて書籍化。

著者情報
1979年、北海道生まれ。立命館大学卒業。幼少期をザンビアで過ごす。2008年、小説すばる新人賞を受賞した『魚神』(いおがみ)でデビュー。翌年、同作にて泉鏡花文学賞を、2013年『あとかた』で島清恋愛文学賞を受賞。同年に『あとかた』、2014年に『男ともだち』で直木賞候補となる。他の著書に『からまる』『西洋菓子店プティ・フール』『クローゼット』『正しい女たち』などがある。

『味覚において現実は物語を越えられないことが多々ある』という考えに激しく同意。イカ焼きとかの香りも個人的には同じように思う。


とりあえずお湯わかせ/柚木麻子


とりあえずお湯わかせ
柚木 麻子


内容紹介
はじめての育児、コロナ禍。閉じこもる中で徐々に気が付く、世の中の理不尽や分断-。食と料理を通して、2018年から2022年を記録した、小説家・柚木麻子のエッセイ。『きょうの料理ビギナーズ』連載他を単行本化。

著者紹介
1981年東京都生まれ。立教大学卒業。「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞、「ナイルパーチの女子会」で山本周五郎賞、高校生直木賞受賞。他の著書に「嘆きの美女」など。



小説家・柚木麻子さんのコロナ禍を描いたエッセイ。持病をもつなかでワンオペ育児を余儀なくされ、世間との隔絶を悲しむさまは、読んでいてとても胸が痛んだ。

それでも日々の楽しみを見つけ、子とともに奮闘するようすは力強く朗らか。同時に、自分は当時どう過ごしていたかを振り返り、本当に大変な時期だったなと今になって思う。

イベントの準備に張り切りすぎ、「しおり」を手作りしたり、旅立つ前にすでに疲れてしまったり、顔ハメ看板が好きなど、自分との類似点も多く、楽しく読んだ。

MEMO

みんなに迷惑をかけ、心配されたが、突貫工事でなければ、開かれない道もある。 

MEMO

顔ハメ看板を見逃さない、はしゃげるチャンスに貪欲たれ、一瞬の浮遊感を味わい尽くす感受性を持て。


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