お笑い芸人、漫才師、コント職人などをテーマにした小説を集めました。漫才やコントの賞レース(コンテスト)、深夜ラジオ、EXIT、アルピー好きな人は必読です。
南部芸能事務所/畑野智美
南部芸能事務所
畑野 智美
内容紹介
偶然見た南部芸能事務所のライブに刺激され、その夜のうちに芸人を志すことに決めた20歳の大学生・新城。コンビの相方はどうする? 弱小プロダクションの芸人たちを描く連作短編集。『インポケット』掲載を単行本化。
著者紹介
1979年東京都生まれ。「国道沿いのファミレス」で第23回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。ほかの著書に「大人になったら」「水槽の中」など。
ワラグル/浜口倫太郎
ワラグル
浜口 倫太郎
内容紹介
年末の漫才日本一を決めるKOM(キングオブ漫才)敗者復活戦で敗れた上にコンビも解散。それでも漫才を続けたかった凛太は、死神の異名を取る謎の構成作家ラリーの元を訪れるが…。笑いと涙と戦慄の起死回生物語。
著者紹介
放送作家
漫才師がコンテストにどうやって情熱を傾けているのか、芸人と近い放送作家はどういう仕事なのか、それらがとてもリアルに感じられる一冊。
いろいろな伏線がラストに向かってつながっていくさまは、とても痛快で胸を打つ。
おもろい以外いらんねん/大前粟生
おもろい以外いらんねん
大前 粟生
内容紹介
お笑いコンビを組んだタッキーとユウキ、芸人にならなかった俺。おれらであることが楽しくて苦しい、3人組の10年間-。お笑いコンビ<馬場リッチバルコニー>が解散するまでの物語。
『文藝』掲載を書籍化。
著者紹介
1992年兵庫県生まれ。2016年、「彼女をバスタブにいれて燃やす」が「GRANTA JAPAN with 早稲田文学」公募プロジェクト最優秀作に選出され小説家デビュー
コロナ禍で変わりゆくお笑い芸人の活動の場だったり、生活だったり気持ちだったりを生々しく描いた一冊。そしてもうひとつ、ジェンダーや容姿イジリの古さと是正を問うている。まさに今この瞬間のを切り取ったばかりの本。
価値観とは。新しいお笑いとは。切り離さなければならばいお笑いとは。お笑い好き、テレビ好きにはぜひ読んでほしい。
明るい夜に出かけて/佐藤多佳子
明るい夜に出かけて
佐藤 多佳子
内容紹介
今は学生でいたくなかった。コンビニでバイトし、青くない海の街でひとり暮らしを始めた。唯一のアイデンティティは深夜ラジオのリスナーってこと…。若さと生きることのすべてが詰まった長篇小説。
著者紹介
東京生まれ。1989年「サマータイム」で月刊MOE童話大賞を受賞しデビュー。『イグアナくんのおじゃまな毎日』で産経児童出版文化賞と日本児童文学者協会賞、路傍の石文学賞を、『一瞬の風になれ』で本屋大賞と吉川英治文学新人賞を、『聖夜』で小学館児童出版文化賞を受賞。『しゃべれどもしゃべれども』は「本の雑誌が選ぶ年間ベストテン」の第一位に輝き、映画化された。
一気に読んだ。一気に読みたかった。 主人公が敬愛するアルピーに関する描写、主人公のぐちゃぐちゃした思いやファン心理、みんなするすると入ってきて私にとっては何だか身近に思える内容だった。読後感もすっきり。
むき出し/兼近大樹
むき出し
兼近 大樹
内容紹介
小さい頃から、殴って、殴られるのが普通だった。上京して芸人となった石山の前に現れる、過去の全て。ここにいるのは、出会いと決断があったから-。お笑いコンビ「EXIT」の兼近大樹による初小説。
著者紹介
1991年北海道生まれ。お笑いコンビ「EXIT」として活動している漫才師。音楽活動や洋服ブランドのプロデュースなども行う。
本作はあくまでフィクションとされているが、出身地や主人公の名前、その他モロモロから、きっと著者の私小説に近いんだろうなと感じる一冊。経験してなきゃ書けないような所作や感情も多くてテレビで見る笑顔の裏には生きるにたいへんな過去があったと想像してしまう。
生まれた環境で人は育ち作られていくこと、純粋な気持ちがあれば何かきっかけさえ手に入れられれば変わることができることを教えてくれる、厳しくも優しい本。
あの頃な/マンボウやしろ
あの頃な
マンボウやしろ
内容紹介
新型コロナウイルスは、人々の生活を一変させた。劇的に変化した世界で生きる人々の日常は、どこに向かっていくのか-。ラジオでコロナを報道し、リスナーの声を聞き続けた著者が、抱えてきた想いを昇華させた25本の物語。
著者紹介
元・漫才コンビ「カリカ」メンバー
元芸人・カリカ、現在は裏方で活躍中のマンボウやしろが描く、ブラックユーモア満載のショートショート集。
コロナ禍を題材にしたあるあるの飛躍や近未来をナナメ上に想像した物語それぞれが面白い。トーンはコロナにあわせて低いながらも、それに輪をかけた発想が読む手を早める。今このタイミングで読んでほしい一冊。
夢は捨てたと言わないで/安藤祐介
夢は捨てたと言わないで
安藤 祐介
内容紹介
おもろいは、正義だ! 吉祥寺のスーパーが結成したお笑い芸人の「実業団」。夢と現実の狭間で揺れる彼らの行く先に待ち受けるものは? 憂鬱な気分も笑い飛ばす、感動の逆転劇。
著者紹介
(株)蒼天・勤
元・甲子園投手で元・プロ野球選手の主人公が野球を諦め、再就職先として選んだのは総合
スーパー。このスーパーには、時間の融通が利きやすいという理由で、お笑い芸人がバイトとして働きブレイクを夢見て活動している。
導入時点で、第2の人生を歩み始めた人のモヤモヤと、夢を諦めきれずにアルバイトで食いつないでいる芸人のモヤモヤがぶつかるヒヤヒヤ感がある。
なんとそこで「うつけ社長」による鶴の一声『お笑い実業団』が社内に結成されることになり、野球一筋・お笑いなんてよくわからない主人公が担当として抜擢されることになり…。
お笑い業界の内情や芸人の心理、社会人としての悩みや家族問題など、抱える課題も実に生々しく、対立からの挑戦、葛藤など、夢を追う人を応援する気持ちや励まされる爽快感が気持ちの良い一冊。
一気に読んだし、実在のコンテストやお笑い芸人を思い浮かべながら楽しめた本。面白かった。
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【二足のわらじ】兼業お笑い芸人の副業本
芸人を目指す研修生、うだつのあがらない若手芸人、ピークの過ぎた中堅芸人、芸歴何十年の大御所師匠、それをとりまく女性ファンたちの下心….。
とある芸能事務所を軸に、芸人人生の栄枯盛衰やファンのいや~な女の部分が描かれていて、どの話も人としての思いや悩みがよくわかる。気持ちの機微がうまい。やっぱこの作者好きだなあ。