お笑い芸人のエッセイ(男性芸人編)

男性芸人のエッセイを集めました。くりぃむしちゅー上田、ずん飯尾、アンジャッシュ児嶋、スピードワゴン小沢、バイきんぐ西村、ブラックマヨネーズ吉田、ウーマンラッシュアワー村本、ピース、ふかわりょう、落語家・瀧川鯉斗好きは必見です。


経験 この10年くらいのこと/くりぃむしちゅー上田晋也


経験 この10年くらいのこと
上田 晋也


内容紹介
テレビ番組の裏話、一流芸能人との交遊録、子どもとのやりとり…。くりぃむしちゅー上田晋也が10年間の日常を綴った、非成長記録。

昔話「桃太郎」「浦島太郎」「鶴の恩返し」に突っ込みを入れた「昔話突っ込み」も収録。

著者紹介
1970(昭和45)年熊本県生れ。早稲田大学教育学部中退。切り返しの速さやウンチク王としての見事な仕切りが冴える、お笑いコンビ「くりぃむしちゅー」の主にツッコミ役。

エッセイの文面がまさにくりぃむ上田の口調なので、読んでいる間じゅう、私の脳内上田があの声で読み上げてくれた。

やはり一流司会者のエッセイ、芸能界や芸能人のあれこれ、家庭内の処々を読んでいるとその画が見えるようで、ついついニヤけたり吹き出してしまう。

絶えず出てくる「例えツッコミ」がとにかく面白い一冊。


俺の本だよ!!/アンジャッシュ児嶋一哉


俺の本だよ!!
児嶋 一哉


内容紹介
自分が思う自分よりも、周りが思う自分のほうが本当の自分なんじゃないか-。

アンジャッシュ児島が、今までの半生を振り返るとともに、ポンコツエピソードや「半沢直樹」秘話、そして相方のことまで、ホンネで綴るエッセイ集。

著者紹介
1972年生まれ。東京都出身。お笑い芸人、俳優。人力舎所属。スクールJCA1期生。数々のテレビ番組やドラマ、映画に出演。プロ雀士。

アンジャッシュにとって激動の年だった昨年を振り返り、当時のこと、相方との関係、周りの芸能人とのことなどを素直に書いている一冊。

いろんな有名人の名前が出てくるしそのエピソードも面白く、愛されてるなーと感じ、芸能界の真ん中にちゃんと居場所があって、それはそれですごいと思う。

ただ、そういったコラムひとつひとつは異常に短くて拍子抜けする(笑) まあ、このノンビリぼんやり感が「大島さん」らしくて逆に癒されるのかも。ふふふ。


ジグソーパズル/バイきんぐ西村瑞樹


ジグソーパズル
西村 瑞樹


内容紹介
体毛コンプレックスを受け入れた瞬間、フィリピンパブ通いをしていた超健全な理由、相方…。

お笑いコンビ「バイきんぐ」の、“ネタを書かないほう”西村が綴った全58編のエッセイ集。
『産経プラス』連載を加筆し書籍化。

著者紹介
1977年生まれ。広島県出身。お笑いコンビ「バイきんぐ」にて主にボケを担当。大阪NSC17期生。
2012年「キングオブコント」で優勝。

バイきんぐ西村のエッセイと聞いて舐めていたが、どの文章もしっかりと書かれていて驚く。それに「西村本人」の独特な感性が合わさり、なかなか面白い。

すいすいすいすい読んで、読み終わった頃には西村がより好きになっていること間違いなし。人生詰んでるなぁ~、という人にオススメの一冊。


黒いマヨネーズ/ブラックマヨネーズ吉田敬


黒いマヨネーズ
吉田 敬


内容紹介
お笑いコンビ「ブラックマヨネーズ」の吉田敬が、妄想と現実の狭間で、時に怒り、時に涙しながら、人の世の不条理と栄枯盛衰を綴る。
『パピルス』『小説幻冬』の連載「紺色のカラス」を改題し加筆・修正。

著者紹介
1973年京都府生まれ。吉本総合芸能学院(NSC)大阪13期生。98年、小杉竜一とお笑いコンビ「ブラックマヨネーズ」を結成。ブツブツの方。

「上方お笑い大賞」最優秀新人賞など受賞多数。2005年「M‐1グランプリ」で優勝し、ブレイク。著書に『ブラックマヨネーズ吉田敬のぶつぶつ』(2009)、『人生は、パチンコで教わった』(2014)。

己の奥底に、陰鬱な妬み嫉みを抱えつつ、『エロ』をすべての原動力として、世界をナナメに見ているブラマヨ吉田のエッセイ。

著者の人となりをテレビで見ているおかげか、クスッと笑えるものばかり。マイナスのベクトルに舵を切るブラマヨ吉田は限りなく面白い。

特に私が奇想天外で面白いと思ったのは、犯罪が後をたたないのは「罰が軽い」と考えたくだり。

詐欺師にも、窃盗犯にも、空き巣にも、統一的な服役ではなく、犯人が犯した罪以上の「罪に似た罰」を与えれば、恐怖でもう絶対やらなくなるだろうというものである。

吉田の考え方は、地獄の拷問に似ている。「目には目を」の精神がヤバすぎる笑


どのみちぺっこり/ずん飯尾和樹


どのみちぺっこり
飯尾 和樹


内容紹介
初孫だったから、髪を切っただけで「ハンサム」と言われるような甘ったれた環境でした-。

お笑い芸人「ずん」飯尾の初エッセイ集。「コンプレックス」「見出された歌の才能」「甘える勇気」など全27編を収録。

著者情報
お笑いコンビ「ずん」
劇団「カンコンキンシアター」メンバー

『カゲヤマヒップの会』という秘密組織、有名ギャグ『ぱっくりピスタ~チオ』の誕生秘話、自分よりちょい前世代の江戸っ子の昔話、今を生きるちょっとした術を、くすりと笑える飯尾節で連ねた一冊。

癒されエッセイにぺっこり45度。


おれは無関心なあなたを傷つけたい/ウーマンラッシュアワー村本大輔


おれは無関心なあなたを傷つけたい 
村本 大輔


内容紹介
日本では廃れかけている“価値観”を前面に押し出す「オルタナティブな笑い」。

その旗手として輝くウーマンラッシュアワー村本が、社会に存在する偏見、差別、葛藤などと真剣に向き合い綴ったエッセイ集。

著者紹介
1980年生まれ。福井県出身。中川パラダイスとお笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」結成。

劇場を主な活動の場にしており、全国で独演会を開催している。

福井県の原発がある町で生まれ、渡米をきっかけに日本のテレビ・バラエティーに違和感を抱いた男、ウーマンラッシュアワー村本。

アメリカのコメディクラブでは、コメディアンたちが、いま社会で起きている理不尽なことをネタにしているという。

移民難民問題や人種差別問題、地球温暖化やLGBTQの問題など、現実としてそこにある「犠牲」に関心を持ち、包み隠さずネタにしていることに村本は感銘を受けたそう。

その渡米以降、「安心して観られる漫才師よりも、不安定で、時にこいつ本気だ、と怖くなるような表現者でありたい」と、皆が無関心になりがちな「日本が抱えている問題」に、あえて漫才を使って目を向けさせている。

村本の真意やまじめさ、ユーモアを知れるので、多くの人に読んでほしい本。

ふだん目を背けがちなことや忘れがちなことを思い出させてくれる一冊。

MEMO

子どものときから、自分が強く信じているものを疑われると不安になり、それが恐怖となって、怒りに変わる人たちが一定数いる。

MEMO

僕は思う、臭いものに蓋をするというけれど、それは臭くないんだ。

臭いと思っているのは普段からあなたがそれの匂いを避けているから。鼻が慣れていないだけだ。

怖がるな、臭がるな、誰かは悲しがっているぞ。臭いものにされることを、タブーにされることを。

MEMO

原発は、不祥事を起こした芸人が復帰をするかのように、どさくさにまぎれて、再稼働する。

吉本でも、チュートリアル徳井原発が再稼働した。宮迫原発は廃炉になったが、自然エネルギーの蛍原発電でなんとかもっている。

ロンドンブーツの亮さんも事故を起こしたから僕はロンドンブーツのことを、1号機、2号機と呼ぶことにしている。


悩むってなんだ!?/スピードワゴン小沢一敬


小沢一敬の悩むってなんだ!?
小沢 一敬


内容紹介
生まれた年を気にするのはワインだけでいい-。仕事、恋愛、人間関係の悩みの数々を、独特過ぎる視点で解決する。自己肯定感がバク上がりするオザワードが満載。
『美人百花』連載を書籍化。

著者紹介
「スピードワゴン」メンバー

スピードワゴン小沢が女性の悩みに応える企画を書籍化した一冊。

数々のよくあるお悩みを「世界のオザワ」は簡潔な答えでは返さず、理不尽な状況を面白くするような方向を示す形で答えている。これがまた、すごくイイ。

人の言動が気になる相談者には『人に求めすぎてるんじゃない?』と問いかけ、結婚した友だちと考え方が合わなくなった相談者には『だって結婚した友だちは旦那さんと暮らすことでこれまでとは違う価値観や人生観を持つようになったのかもしれないじゃん』という。

凝り固まった価値観をマッサージしてくれるような本。やさしくてユーモアがあって、小沢さんをさらに好きになれる。

名言『生まれた年を気にするのはワインだけでよくない?』も収録されています笑

MEMO

オレは推しがいることを否定しないよ。人生に張りが出るし、好きな人のことを考えていると毎日楽しいもん。

で、好きすぎていっそ早くいなくなってほしいって気持ちもどっかにあるのよ。カッコいいままこの世から消えてオレの中で伝説になってほしいっていう。これも【推し】の心理かもね。

MEMO

きっとさ、今の時代って自分を発信できる機会が多すぎて誰も彼も承認欲求が強くなりすぎてる。みんな【誰か】を基準に生きすぎてやしないかい?

苦手なことは得意な人に任せればいいじゃない。得意なことだけして生きていけるように、地球は人がいっぱいいるんだと思うよ。

MEMO

余裕なんて気持ちの持ち方次第じゃない?みんなが勝手にしんどい方ばかりを選んで苦しんでるようにみえるけど。

自尊心や嫉妬心、責任だってそう。そういう荷物をどんどん背負って苦しくなってる。


世の中と足並みがそろわない/ふかわりょう


世の中と足並みがそろわない
ふかわ りょう


内容紹介
「ポスト出川」から舵を切った30歳、誰も触れなくなった「結婚」のこと、アイスランドで感じた死生観…。

世の中との隔たりと向き合う“隔たリスト”ふかわりょうが、不器用すぎる歪な日常を描く。

著者紹介
本名:府川亮,タレント

独身をこじらせた著者による負け犬の遠吠えや女性への偏見、幼少期から腑に落ちない事柄などを淡々と不器用に書きくだしている一冊。

いっぱいお笑い番組に出ていた頃とは異なる、今のふかわりょうを知ることができる本。

後半に行くほどDJや音楽、ラジオの話など面白くなる。中でも、DJはアーティスト、曲を作る人がデザイナーなら、DJはスタイリストという言葉にハッとした。


第2図書係補佐/ピース又吉直樹


第2図書係補佐
又吉 直樹


内容紹介
僕の役割は本の解説や批評ではありません。自分の生活の傍らに常に本という存在があることを書こうと思いました。(まえがきより)。

お笑い界きっての本読みピース又吉が尾崎放哉、太宰治、江戸川乱歩などの作品紹介を通して自身を綴る、胸を揺さぶられるパーソナル・エッセイ集。
巻末には芥川賞作家・中村文則氏との対談も収載。

著者紹介
1980年大阪府寝屋川市生まれ。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属のお笑い芸人。コンビ「ピース」として活動中。

2015年『火花』で第153回芥川賞受賞。著書に『第2図書係補佐』『東京百景』、せきしろとの共著に『カキフライが無いなら来なかった』『まさかジープで来るとは』、田中象雨との共著に『新・四字熟語』、堀本裕樹との共著に『芸人と俳人』がある。

芥川賞受賞前の作品。お笑いコンビ「ピース」として「キングオブコント2010」で準優勝したり、TV番組「ピカルの定理」のレギュラーとして活動していたころにあたる。

寡黙で、ちょっと変な、読書好きという、当時のイメージどおり、本への愛が惜しみなく出ている一冊。


HI,HOW ARE YOU?/ピース綾部祐二


HI,HOW ARE YOU?
綾部 祐二


内容紹介
なぜアメリカに渡ったのか? 目標に掲げたレッドカーペットまでの現在地は? 日々の暮らし、英語力、人生哲学、そしてこれから…。

綾部祐二が、5年間日本に戻らず向き合い続けてきた思いを綴る。

著者紹介
お笑いコンビ「ピース」メンバー

ピース綾部が移住したアメリカから綴るエッセイ。話題にはなるものの、もやっと明らかにされないNYでの生活や仕事、プライベート、気持ちなどを素直に綴っている。

そこにはとても前向きでハッピー、人懐っこいけどしたたかな姿があり、日本での芸人時代を含めて「綾部祐二」という人間を思い返すことができる。

向こうで結婚していたり、すでにグリーンカードを取得していたり、さらっと書かれている内容にも驚きかくせない。

こんな「何か知らないけど、気になる男」を、これからもウォッチしていきたい。


特攻する噺家/瀧川鯉斗


特攻する噺家 
瀧川 鯉斗


内容紹介
なぜ落語の世界に飛び込んだのか? なぜ10年以上に及ぶ修業を耐えて真打にあがることができたのか?

元暴走族の総長という一風変わった経歴を持つ噺家・瀧川鯉斗が、余さず、赤裸々に語る自叙伝。

著者紹介
1984年生まれ。愛知県出身。暴走族等を経て、落語家。真打。テレビやファッション誌など、高座以外の場でも幅広く活動。

イケメン落語家・瀧川 鯉斗の生まれから暴走族時代、落語家を目指したきっかけ、真打になるまでの修行時代、そしてコロナ禍に至るまでを詰め込んだ自伝。

時折り挟まれている当時の写真もレアだし、人間味あふれるエピソードもほろ苦くステキ。落語の紹介も面白いのでライブできいてみたくなること間違いなし。


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