アイドルがテーマの小説

アイドルがテーマの小説を集めました。アイドルとして活動している、アイドルになりたい、アイドルになりたかった、推し活をしている、リアコ・ガチ恋をしている、そんな主人公たちのお話です。


宇佐見りん/推し、燃ゆ


推し、燃ゆ
宇佐見 りん


内容紹介
ままならない人生を引きずり、祈るようにアイドル上野真幸を推すあかり。ある日、真幸がファンを殴って炎上し…。デビュー作「かか」が三島賞候補になった21歳の第2作。『文藝』掲載を単行本化。

著者紹介
1999年静岡県生まれ、神奈川県育ち。現在大学生。2019年、『かか』で第五六回文藝賞を受賞、三島由紀夫賞候補となる

推し活をしたことのある人が読んだらきっと共感するであろうファンの思いや行動がぎっしり詰まっている一冊。特に、応援のスタンスの違いとか、わかりすぎ。現実にあったようなことや思い浮かぶこともあるものの、世界観と主人公の生きずらさがそれを超えてくる。

疾走感があって一気に読んだ本。そういえば、爆笑問題の太田さんもこの本を褒めていたなあ。


柚木麻子/デートクレンジング


デートクレンジング
柚木 麻子


内容紹介
十年間、全てを捧げてきたアイドルグループ「デートクレンジング」が解散し、実花は突然何かに追い立てられるように<婚活>を始める。親友の佐和子は、初めて実花がさらけ出した脆さを前に、大切なことを告げられずにいて…。

著者紹介
1981年東京都生まれ。立教大学卒業。「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞、「ナイルパーチの女子会」で山本周五郎賞、高校生直木賞受賞。他の著書に「嘆きの美女」など。

見えない差別に苦しんだり、好きなものとの距離感に悩んで感情が揺さぶられたり…立場や環境に違いでいろんな孤独と不安を味わう女性たちの物語。ラストは清々しい一冊。


宮木あや子/婚外恋愛に似たもの


婚外恋愛に似たもの
宮木 あや子


内容紹介
男性アイドルユニット「スノーホワイツ」の熱狂的ファンの、35歳で夫ありの5人の女。彼女たちの愛は、夫ではなくステージ上の美しい「恋人」に注がれる!最凶恋愛小説。
『小説宝石』掲載に書下ろしを加えて単行本化。

著者紹介
1976年神奈川県生まれ。2006年「花宵道中」で第5回「女による女のためのR-18文学賞」大賞と読者賞をW受賞しデビュー

宮木あや子が得意とするオムニバス形式で紡いでいく物語。5人の女の抱える悩みや思いが何とも女性特有でモヤモヤする。けど嫌いじゃない。 アイドルの追っかけをしていなかったら決して出会うことのなかった5人が迎えるラストにふふふふふ。


高山一実/トラペジウム


トラペジウム
高山 一実


内容紹介
絶対にアイドルになりたい高校1年生の東ゆうは、「4つのこと」を徹底して高校生活を送っているが…。「乃木坂46」のメンバーが描く、アイドルを目指す女の子の10年間。
雑誌『ダ・ヴィンチ』連載を単行本化。

著者紹介
1994年生まれ。千葉県出身。乃木坂46のメンバー。本書が小説デビュー作となる。

乃木坂46から初の小説家デビュー!ということで、当時現役トップアイドルだった高山ちゃんが、アイドルを目指すある女の子の10年間を描いた青春小説。

アイドルになりたい気持ちやアイドルとしての葛藤が、本当にみずみずしく描かれている。テレビで見る元気な姿とは、また一味違う彼女を見たような気がする。


朝井リョウ/武道館


武道館
朝井 リョウ


内容紹介
武道館ライブの実現を目指して活動するアイドルグループ「NEXT YOU」。恋愛禁止、スルースキル、特典商法、握手会、卒業…。成長する彼女たちをシビアかつ熱を持った視線で描いた長編小説。

著者紹介
作家,第148回直木賞受賞

アイドルの華やかな側面ではなく、裏側の商業的だったり、生々しいあれこれを描いた作品。

アイドルにガチ恋・リアコ中の人は、読まないように。
※気分を害する恐れがあります


加藤シゲアキ/閃光スクランブル


閃光スクランブル
加藤 シゲアキ


内容紹介
アイドルの亜希子と、彼女のスクープを狙うパパラッチの巧。最悪と思われたふたりの出逢いは思いがけない逃避行となってーーー。渋谷スクランブル交差点を舞台に、「追う者」と「追われる者」の人生の交錯、愛と再生を描く。

著者紹介
1987年生まれ。大阪府出身。青山学院大学法学部卒。ジャニーズ事務所のアイドルグループNEWSのメンバーとして活躍。「ピンクとグレー」で作家デビュー。

アイドルとゴシップという一般人には興味深いテーマだが、著者は現役アイドルであり、被害者にもなりえる当事者である。

それだけにこのテーマで1本書くには躊躇もあっただろうが、アイドルや芸能界からといった視点だけではなく、作中に出てくる人物それぞれが人間味あふれ、作者がどうとか気にする間もなく没入した。

行動ひとつひとつの描写も生々しく描かれていて、現実で見ているような気になって吸い込まれるように読んだ。

心の機微に触れるように寄り添い、最後には勇気をもらえる一冊。


モモコグミカンパニー/御伽の国のみくる


御伽の国のみくる
モモコグミカンパニー


内容紹介
アイドルの夢破れ、メイド喫茶でバイトの日々。働き始めてからもう2年。年齢は永遠の17歳、ではなく、満26歳を迎える。裏切り、妬み、失望の果てに、友美が見つけた答えとは?

著者紹介
楽器を持たないパンクバンド「BiSH」の結成時からのメンバーで最も多くの楽曲で歌詞を手がける。読書や言葉を愛し、独特の価値観や世界観を持つ彼女が書く歌詞は、圧倒的な支持を集め、作詞家としての評価も高い。2018年3月に初の著書『目を合わせるということ』を上梓し、大ヒットを記録

コンプレックスを抱えながらも自分の夢と好きに忠実である主人公が、周りからの蔑みや心無い言葉に耐え、迷いながら奔走する物語。これをBiSHのモモコグミカンパニーが描いたというから驚きである。

肩書を思い出さなければ、まったく気付かないほど小説に没頭してしまう没入感があるし、本人と重なって思える部分もない。ココロがぐちゃぐちゃになるさまもうまく描かれていて、面白かった。


あのコの夢を見たんです。山里亮太短編妄想小説集


あのコの夢を見たんです。
山里亮太短編妄想小説集

山里 亮太


内容紹介
菅井友香(欅坂46)、広瀬すず、松岡茉優…。旬な女優・アイドルをモデルに綴った、芸人・山里亮太による短編妄想小説集。『B.L.T.』連載の中から人気の高かったストーリー16編を厳選し、加筆・修正して書籍化。

著者紹介
1977年生まれ。千葉県出身。関西大学文学部卒業。芸人。漫才コンビ「南海キャンディーズ」ツッコミ担当。著書に「ニュースの読み方教えます!」「天才はあきらめた」など。

南海キャンディーズの山ちゃんが、まだキモ芸人と言われ、じょじょにピンの仕事を増やしていたころに書かれていた短編小説。芸能界に実在する女優やアイドル、モデルなど美女たちに当て書きしているので読んでいてイメージがしやすい。ていうか、山ちゃんの妄想力すごい、ウケる。

また、この本を企画にしてテレ東が豪華な本人キャスト、山ちゃん役は仲野太賀でドラマ化。驚き。

山ちゃん自身もモテないキャラだったからこそ、こうした妄想小説を書いていたのに、今や蒼井優という女優の奥さまと結婚。人生何があるかわからない。


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