お笑いを作る人のエッセイ

テレビ局や制作会社、放送作家や脚本家など、テレビの裏方としてバラエティ番組・部隊・エンターテインメントを作り・お笑い芸人を支えている人たちのエッセイや仕事術、お笑い分析などの本を紹介します。


自意識とコメディの日々/オークラ


自意識とコメディの日々
オークラ


内容紹介
1994年、芸人から放送作家へ転身したオークラは、バナナマン、東京03たちと数々のユニットコントを生み出していく。そして「カルチャーとコントの融合」という夢の実現を目指し…。放送作家オークラのお笑い自伝。

著者紹介
1973年生まれ。群馬県出身。脚本家、放送作家。バナナマン、東京03の単独公演に初期から関わり続ける。日曜劇場『ドラゴン桜2』の脚本のほか、CMの脚本監督など多岐に活躍。

バナナマン、おぎやはぎ、東京03らのライブや番組を追っていると、オークラさんの名前が必ず出てくることにいつからか気づいてから、私はオークラさんの手がけたものは決まって面白いなと思うようになり、やがてオークラさんの名前が出てくるものは安心してチェックするようになりまして。

「天才」という言葉はめったに私は使わないけれど、オークラさんにこそふさわしいと勝手に思っていて。

そんなオークラさんの自伝。

さすが元芸人の作家さん、とても読みやすくて楽しいし、夢と野望にあふれていた。

関東のオシャレなライブはこうして作られているんだとか、関東芸人のつながりやライブシーンの歴史、芸人しか知らない裏側などをオークラさんが見てきた目線で知ることができた。

東西のお笑い文化の違いが面白いし、関東のお笑いが好きなら絶対に読んでほしい一冊。

個人的にはニイルセンさんとカンケさんが集ったあたりでRPG的感覚(ついに仲間が揃った!)で身震いし、佐久間さんの登場でさらに興奮、オークラさんの「俺、東京03に本腰入れる」でチビりそうになりました。


できないことはやりません/佐久間宣行


できないことはやりません
テレ東的開き直り仕事術 

佐久間 宣行


内容紹介
「前例がないから、ムチャもできる」「失敗は山ほどしても当たり前」「企画書は“ラブレター”」…。テレビ東京の人気番組「ゴッドタン」の演出を手掛けるプロデューサーが、仕事がちょっとうまくいく開き直りの方法を教える。

著者紹介
1975年福島県生まれ。早稲田大学商学部卒業。テレビ東京に入社。入社3年目に「ナミダメ」で異例の若さでプロデューサーに抜擢される。「ゴッドタン」のプロデュース・総合演出を務める。

面白いことを考える人の文章は本当にすいすい読める。なおかつ見知った番組や芸人さんの裏話がてんこ盛りで、何とも贅沢な一冊であった。

佐久間さん、謙遜してるけどやっぱアンタ天才だよ!楽しくてすいすい瞬殺で読めた本。


普通のサラリーマン、ラジオパーソナリティになる/佐久間宣行


普通のサラリーマン、ラジオパーソナリティになる
佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)2019-2021 

佐久間 宣行

 
内容紹介
テレビ東京のプロデューサー・佐久間宣行がパーソナリティを務める「オールナイトニッポン0」を書籍化。厳選フリートーク、ゲストトーク、語りおろしエッセイなどを収録する。ジャケットそでに切り取って使うしおり付き。
 
著者紹介
1975年福島県生まれ。早稲田大学商学部卒業。ニッポン放送「佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)」のラジオパーソナリティ。フリーのテレビプロデューサー。

テレ東「ゴッドタン」「ウレロシリーズ」を手掛けた佐久間Pのラジオ本。

まずカバーイラストを描いたのが、機動警察パトレイバーの漫画家、ゆうきまさみ先生であることに驚き。世代なのでおおっ!って思っちゃう。

基本はオールナイトニッポン0(ZERO)で話された内容なのだが、これがとっても面白い。

佐久間さんの厳選フリートークから、オードリー若さま、テレ朝の加治P、放送作家のオークラさんとゲストとの貴重で興味津々なお笑い・テレビトーク、家族や家庭での面白話など、さまざま。楽しすぎて読む手がとまらない。

「誰かに話せるエピソードがたくさんある人生は楽しい」これは名言。ほんとそう!

個人的には「流れ星 銀」とかニッチで懐かしい話で盛り上がる佐久間さんが好き。

あと、ゴッドタンの昔の企画「おっぱい見せて」を最近やらなくなったという話題。芸人さんがMCクラスになっちゃって、パワハラの可能性も出てくるからやめた、という取捨選択にも納得した。

長寿番組になってくると、芸人さんの立ち位置やテレビバラエティの風潮も変わってくるから、時代の流れを読む相場観も大事なんだなと実感した。

そうだよなあ。佐久間さんと谷桃子のプロレスとかって、もう見られないんだよなあ!!笑


佐久間宣行のずるい仕事術/佐久間宣行


佐久間宣行のずるい仕事術
僕はこうして会社で消耗せずにやりたいことをやってきた

佐久間 宣行

内容紹介
話題のヒットメーカーが、誰とも戦わずに抜きん出る仕事術を公開。「『雑務』こそチャンスに変える」「『イラついている実力者』と組め」など、会社にいながら消耗せずにやりたいことで結果を出す62の方法を紹介する。

著者紹介
元・テレビ東京プロデューサー

テレ東のプロデューサーをしながらANNラジオパーソナリティーを務め、フリーランスとなってさらなる活躍を見せる佐久間さんの本。

もうとにかく名言や役に立つ仕事のテクニックがたくさん詰まっていて、人生訓、ビジネス書としても発見が多い一冊。

おぎやはぎやオークラさんのインタビューも入っていて、佐久間さんの信頼感が半端ない。そしてその信頼をどうやって勝ち取るかのポイントも惜しみなく込められている熱い内容が読む手を止めない。どんどん読んでしまう。

そして常に忙しくしている佐久間さんでも、メンタルマネジメントを何より重要と考えているのが意外だった。死守すべきは仕事よりもメンタル。「真剣」になっても「深刻」になってはいけない。染みるー。私も自分の「無理スイッチ」を今後はぜったい人に触らせないようにしよう。

MEMO

「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」はこまめなほうがいい。とくに「報告」はマストだ。なるべく早く共有すべきは「進捗状況」と「優先順位」。なぜか。理由は2つある。
「上司を不安にさせたり、文句を言わせないため」
「上司の上司に文句を言わせないため」

MEMO

相談のゴールは「解決」にある。「話を聞いてほしい人」ではなく「その問題を解決できそうな人」を選ぶのだ。そして、相談内容よりも先に、「なぜあなたに相談するのか」を伝えるのがコツである。

MEMO

大切なのは相手に勝つことではなく、障壁なく仕事ができる環境を手に入れること。僕が自由に働けたのは、だれのメンツも潰さなかったからにほかならない。

MEMO

おもしろいと思っているものを言語化できる人は、そのしくみやキモがわかっている。


たくらむ技術/加地倫三


たくらむ技術
加地 倫三

 
内容紹介
ヒット企画の陰にある数々の「たくらみ」とは? バカな番組を実現させるクソマジメな仕事術とは? 「ロンドンハーツ」「アメトーーク!」など人気番組のプロデユーサーが自らの「脳内ノート」を大公開する。
 
著者紹介
1969年生まれ。神奈川県出身。上智大学卒業。テレビ朝日入社。編成制作局にてバラエティ番組の制作に携わる。「ロンドンハーツ」「アメトーーク!」の演出・プロデューサー。

テレビ朝日の名物バラエティ番組「ロンドンハーツ」「アメトーーク!」などを手掛け、裏方だけど時おり名前の挙がる加地プロデユーサーの本。

テレ東を退社してフリーになった佐久間さんの本を読んで、加治さんの仕事術も読んでみたいなと思い、手に取った一冊。発行は2012年だが、内容は全く色あせない。

バラエティ番組づくりはこうやって行われているのか、と番組スタッフさんたちの「見えない苦労」を知ることができる。

中でも、面白さを追求するためにこだわっていることが、確かに他の番組と違って面白いなと思っていたことだった。こだわりって個性になるし、ちゃんと届くんだと実感した。

仕事に対する向き合い方やコミュニケーションなどのコツについても、佐久間さんと共通することが多く、成功している人の何かを見たような気がした。

MEMO

芸人さんは売れるにつれ、面白さや技術だけではなく、「かわいさも身につけていく」と僕は分析しています。

MEMO

よくマネージャーさんたちと「言った」「言わない」で揉めているスタッフがいます。こういう時、僕は「実際にこちらが言ったかどうかが問題ではない。相手の脳。心に伝わる言い方をしなければダメなんだ」と言い聞かせています。

MEMO

お笑いのうまい人は「やられ顔」「だめ顔」を持っています。フットボールアワーの後藤君は、ツッコミや返しだけでなく、このへんのイジられている時の表情が本当にうまい。

MEMO

僕が今回、偉そうに本を出した一番の理由は、テレビの仕事を1人でも多くの人に知ってもらいたい、そしてこの仕事を目指してもらいたいと思ったからです。


悪企のすゝめ 大人を煙に巻く仕事術/藤井健太郎・渡辺淳之介


悪企のすゝめ
大人を煙に巻く仕事術 

藤井 健太郎/渡辺 淳之介

 
内容紹介
悪企(わるだくみ)の根底には、作品への愛と好奇心と飽くなき探究心がある! 「水曜日のダウンタウン」演出家と「BiSH」マネージャーの2人の鬼才が、仕事・企画・クリエイティブのすべてを語り尽くす。

著者紹介
1980年生まれ。東京都出身。テレビプロデューサー、演出家。

テレビを見ているとよく名前が出てくる2名による対談形式のエッセイ本。

テレビのバラエティ番組づくりや人間関係から、テレビ局や音楽プロダクションの労務管理、サラリーマンとしての心構え、就活のコツなど、話が多岐にわたって楽しい一冊。

何といってもテレビや音楽業界に身を置いている当事者の話は面白い。昔と今の違いについて語られるのも新鮮だし、時代だからで済まされないマインドも確かにあるような気がした。

MEMO

僕らはお金儲けという意味での成功者ではないし、この本で話していることも、仕事や社会で成功するための何かではなく、好きなことを仕事にして楽しく暮らしていくための何かやヒントだったりするはずだ。 


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